冬の関門・船日和

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1.名門大洋フェリー【フェリーふくおか】 

https://www.cityline.co.jp/index.html

この日の主目的は今年(2022年)3月28日に就航する名門大洋フェリーの新造船【フェリーふくおか】が初めての試運転の為、建造されている三菱重工業下関造船所(以下、MHI下関)から関門海峡を通過し周防灘へ出た後再びMHI下関に戻ってくるために関門海峡を通過するのを撮影することでした。

大型フェリーを含む一定以上の大型船が関門海峡を通過する際には事前に海上保安庁が主要航路に設置している「海上交通センター(マーチス)」*1への通報義務があり、通過予定時刻や通過方向は公式サイトで公開されています。

https://www6.kaiho.mlit.go.jp/kanmon/schedule/KANMON/schedule_3.html

 

今回の【フェリーふくおか】の予定時刻は2/11、10:10の予定でした。撮影場所は去年6月に全面リニューアル、8月に展望デッキがオープンした関門自動車道壇ノ浦PAからです。

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実際に目視で確認できる位置に現れたのは10:40過ぎ、関門橋を潜りMHI下関方面へ抜けていったのは11:09頃でした。
逆光気味でどうかなあと思いながらカメラを構えていましたが、思いの外綺麗に撮れたなあというのが正直な感想です。

2.関門汽船 ~変則ダイヤと古豪~

車を門司港レトロ地区外れの有料駐車場に駐車した後、レトロ地区方面へ歩きます。

マリンゲートもじ(門司港側の関門汽船乗り場)の桟橋には【りうぐう】と【かんもん】の2隻が並んで係留される珍しい光景が。そこに唐戸から渡ってきた【がんりう】が加わり3隻が一堂に会する普段では見ることのできない状態となりました。

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この後昼食を摂り(門司港レトロ地区らしく焼きカレーを)

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再び船着場へ。先程2隻が付いていた同じ桟橋の反対側には【ふくまる】が。

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この時点で門司側に【りうぐう】【かんもん】【ふくまる】の3隻が全て門司港側で係留されているという異例の状況。運行情報が不安となり公式サイトを見てみると

関門連絡船は通常20分間隔(1時間あたり3便)を日中30分間隔(1時間あたり2便)に減便

巌流島航路は門司港発着便を全便運休、唐戸発着便は土日のみの運行

と大幅に減便されているようでした。(2022/2/11現在、2022/02/28まで減便予定)

www.kanmon-kisen.co.jp

取り敢えずトライアングルチケット(1日乗船券)を購入し12:40の唐戸行きに乗船。減便されているとはいえそこそこの数の乗客が見受けられました。

この日は【がんりう】が連絡船のピストン運用を1隻でこなしていました。

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【がんりう】船上より。珍しい風景には間違いないが、この状況になった理由を考えると何とも言えない気分

【がんりう】は普段と同じように海峡を越え、唐戸に着きますがここでも普段と違う桟橋へ船が付きます。

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右側の桟橋が通常発着する唐戸1号桟橋、左側の桟橋がこの日発着していた唐戸2号桟橋

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唐戸2号桟橋に着く【がんりう】

何事かと思い下船してみると工事の案内と張り紙が。補修工事中で一時的に発着桟橋が変更されていたようです。(~2022/2/14までの予定)

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唐戸ターミナル(関門汽船切符売り場)掲示の時刻表も日中減便ダイヤを張り紙で掲載

唐戸で巌流島航路へ乗り継ぎ。最初は【がんりう】1隻のみで回しているのか?と思っていましたが気配がありません。そして巌流島からやってきたのは…

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!?となりました。この船は【しいがる】。後から調べると時々旅客運航もしているようですが、自分の中では「いつも係留されている古い船」ぐらいの認識だったのでかなり驚きでした。

巌流島に渡りすぐ次の船で巌流島を離脱。往路は昼食後すぐの時間帯もあってかそこそこの乗客が乗り込んでいましたが、復路は疎ら(普通の人はすぐ次の便で戻らないから当然なのですが)。昭和55年(1980年)の建造と約40年前の船と云うだけあって年季を重ねていますが7どこかほっとする様な雰囲気を覚えました。

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エンジンの臭いと描く航跡は「まだまだやれる」とどこか力強さを感じた

10分程で唐戸へ戻り、再び巌流島へ出航。動く姿をカメラに収めていました。

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3.MHI下関と下関港国際航路 ~新たな船の胎動~

そもそも何故わざわざ巌流島に渡った(そしてすぐ折り返した)のかというと、午前中にMHI下関へ戻っていった【フェリーふくおか】と今年秋に就航を予定し建造が進むフェリーさんふらわあ別府航路の新造船【さんふらわあ くれない】(以下【くれない】)を見に行く為でした。

【くれない】はまだ建造の途上ですが【フェリーふくおか】は残り1か月ほどで就航。日頃至近距離で出会うことが無い2隻が並ぶのはこの時期ならではです。

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1980年代のと2020年代の船が交わるのは造船所前ならでは

【くれない】には橙色一色ののファンネルも載せられ、徐々に進水式が近づきつつある様子。2隻が並んだからこその気づきとしては、【フェリーふくおか】のファンネルが大きいのも相まってか【くれない】は思ったより背が低い印象を受けました。

巌流島航路の途中では下関港の国際航路に就航している2隻を眺めることもできます。

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関釜フェリー【はまゆう】現在は旅客輸送を停止し貨物輸送に特化。
同じSHKライングループの東京九州フェリーにも【はまゆう】が存在するが英語の綴りが異なる(こちらは【HAMAYUU】)

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蘇州下関フェリー【UTOPIA】こちらは貨物専業
SHKライングループでは唯一のRORO船、以前は船体全てが白地だったが下部の塗装が変更されている(2021年5月に撮影した4枚目が以前の塗装)

4.夕暮れの新門司港 ~夕日に照らされ今日も発つ~

最後に来たのが新門司港。久方振りに17時台に出港する2隻をカメラに収めることにしました。この日の日没時刻は17:57。

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名門大洋フェリー【フェリーおおさかⅡ】
【フェリーきょうと】の就航で2便から1便へ交代した、ファンネルから上がる煙の少なさが【フェリーきょうとⅡ】からの世代交代を印象付ける

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阪九フェリー【ひびき】
SOxスクラバーのくっついたファンネルも見慣れたが、4月以降の新門司発着長距離フェリー就航船舶では船齢が最年長クラスとなる

 

【フェリーふくおか】を見る序に色々見ようと思ってはいましたが、ここまで色々重なるのは想定外で、とても楽しい休日でした。撮るだけでなく乗りに行きたいなあと改めて思うとても濃密で充実した1日を過ごせたと思います。

*1:関門海峡以外では来島海峡・備讃瀬戸・大阪湾(明石海峡)・東京湾(浦賀水道京浜港)といった交通量の多く、難所とされる航路や大規模な港湾に設置されています