JR九州高速船【クイーンビートル】長崎航路乗船記(2022/9/23)

【乗船日】2022年9月23日

【乗船区間博多港(国際ターミナル)9:00発→長崎港(長崎水辺の森公園)12:40着

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2022年3月に船籍が当初のパナマから日本へ変更されたことにより、日本国内での2点間航路が運航できるようになった【クイーンビートル】。

遊覧航路として以前から運航されていた博多湾内・糸島沖航路に加え門司港、そして長崎港との2点間航路が2022年春から秋にかけて週末を中心に運航されました。

今回は西九州新幹線の開業日(2022年9月23日)に運航された博多~長崎航路に乗船しました。

博多駅前F乗り場(西鉄バス)

博多駅から連接バス(FUKUOKA BRT)で博多港国際ターミナルへ向かいます。

 

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国際ターミナル到着後に乗船手続きを済ませます。前回(2021年5月)に博多湾遊覧航路で乗船した際と手続きは大きく変わりません。

今回は西九州新幹線の開業日ということもあり限定のロングバームクーヘンや開業記念イベントのチラシなど多くの記念品も乗船券と共に受け取りました。

乗船券と記念品、N700Sをモチーフにした箱に収められた長さ40cmのバームクーヘンが一際目を引く

一度ターミナルの外へ出てから岸壁に付けられたタラップから乗り込むのも前回同様。ただし今回はこれまで設置されていなかった物々しいフェンスが【クイーンビートル】が停泊している岸壁に設置。すぐ近くには何かの設備を設ける為のテントらしき骨組みが組まれているなど状況に変化が見られました。

フェンスは高さもあり周囲はどこか物々しい雰囲気に

テントらしき構造物の骨組み

2021年5月(乗船時)と同年11月に見た際はフェンスは設置されていなかった

今回乗船したのは前回と同じくビジネスクラス。航行時間が3時間40分と長い長崎航路は本来の就航先である釜山行の運航時間とほぼ同じ為、プレ運用の側面もあるのか国際航路で提供されるのと同一の船内サービスが提供されました。

アメニティはスリッパとハンドクリーム、ハンドジェルが提供

船内売店(キオスク)で記載されたドリンク類と交換できるクーポンが2枚付属

福岡市内の菓子店提供の和菓子詰め合わせも提供される

1枚目のクーポンと交換したアイスカフェラテ

定刻通りの9:00に博多港を出航。徐々にスピードを上げていき玄界灘へ出ると高速船の本領を発揮します。

船尾には日の丸がはためき、救命浮き輪にはFUKUOKA と表記
船籍が日本籍に変わったことを実感する

同じ日韓航路でこちらも釜山行のカメリアライン【ニューかめりあ】が停泊していた

壱岐から博多港へ向かう九州郵船【フェリーきずな】と福岡のビル群を背に反航

博多湾を出ると船は南西へ舵を切る、曲がりきると速力も上がりウォータージェットからの4条の噴射も明瞭に

遠くに中国・上海行の日中国際フェリー【新鑑真】を見ることもできた

博多港を出航して1時間40分程で平戸瀬戸を通過する為に速度を落とします。この通峡タイミングで通常時は閉鎖されている船首デッキが特別に開放された為外へ出て海峡の風景を眺めていました。

船内最前方に窓がありそこから眺められる船はいくつかあるが、船首部の外に出れる船は希少

鮮やかな朱色に塗られた平戸大橋を赤いクイーンビートルが潜る

平戸大橋を抜けると船首デッキは封鎖され再び速力を上げていきます。このタイミングで2枚目のドリンククーポンを交換、交換するついでに売店で販売されていたヤンニョムチキンを購入しました。

ドリンク(あまなつ温州みかんジュース)とヤンニョムチキン
ヤンニョムチキンはしっかり温められており甘辛い味付け

伊王島や神の島教会、三菱重工長崎造船所(香焼地区の巨大なクレーン)、そして女神大橋が見えてくると長崎港が近づいてきます。

女神大橋の手前で速力が下がり再び船内デッキが開放され外へ出ます。2021年5月以来の長崎、見慣れた景色を海上から眺めるのは新鮮に感じました。

女神大橋通過後に船首のポールにJR九州高速船の社旗が掲揚。コーポレートカラーの赤地に白抜きで「BEETLE」と記された社旗が掲げられ港内を進む姿はどこか興奮と感動を覚えるものがありました。

長崎港の入口に架かる女神大橋を潜る

三菱重工長崎造船所(立神地区)
【はまゆう】【それいゆ】が2隻揃って建造されていた頃からは1年以上経った、
現在は海上自衛隊の艦艇が複数建造されている

世界遺産ジャイアンカンチレバークレーンと九州商船【椿】

そして定刻の12時40分に長崎港(長崎水辺の森公園)に到着しました。

 

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長崎航路に乗船してから1か月後の2022年10月26日、日韓航路の運航再開についてのプレスリリースが発表され11月4日の博多港9:00発釜山港12:40の便*1を初便として、【QUEEN BEETLE】は実に2年半越しに本来の役割である国際航路での運航に漕ぎつけました。
運航日は週末に限られ予約も電話申し込みに限られる等制約が多い形とはいえ国内発の国際航路では最も早く運航が再開されました。

天候こそ曇り空ではありませんでしたが平戸瀬戸、長崎港内と2度の船首デッキ開放に国際航路準拠の船内サービスに新幹線開業の記念品など見どころの多い3時間40分でした。次回乗船する際はきっと国際航路となるだろうと思いつつ、長く2か国を結ぶ船であってほしいと願うところです。

2021年5月3日 博多港にて

2022年9月 長崎港にて

2022年10月 国内航路最終日の門司港レトロ関門橋を背景に

 

 








 

 

 

*1:復路は釜山15:00発博多18:40発と往復とも長崎航路と運航ダイヤが同じ