~𝑪𝒓𝒖𝒊𝒔𝒊𝒏𝒈 𝑹𝒆𝒔𝒐𝒓𝒕の本懐~東京九州フェリー乗船記【すずらん】(2023/3/16)

実に10か月ぶりのこの航路、今回も日本海からの刺客。

(大変遅ればせながら、本年も「ラグーンの入り江」をよろしくお願いいたします。)

船名:【すずらん

運航会社:東京九州フェリー/新日本海フェリー

就航日:2012年7月1日

(就航期間:2022年11月1日~2023年5月7日(予定))

建造:三菱重工業長崎造船所(香焼工場)

総トン数:17,382t

全長:224.5m

全幅:26.0m

航海速力:27.5ノット

旅客定員:613名

車両積載台数:トラック158台、乗用車58台

【乗船日】2023年3月16日~3月17日

【乗船区間】新門司港23:55発→横須賀新港21:00着

この日の連絡バスは22:00時前に到着。港からの送迎客が下車後すぐに港行きの乗車が始まります。

この日は木曜日と平日の夜でしたが、バス到着直後には旅支度をした人々が集まっていました。バスは定刻で小倉駅を出発、門司駅では追加の乗車も無くターミナルにもほぼ定刻で到着しました。

今回は初めての平日(木曜)発平日(金曜)着便の利用でしたが、過去3回と比べても乗用車・トラック共に待機している台数は明らかに多く、ターミナルでの乗船手続きも列が真っすぐでは無く発券窓口から凸型に形成される等乗客も増えている様子でした。

乗用車用待機レーンもかなり埋まっていた

就航当初から横須賀には【はまゆう】の模型が展示されていたが、新門司では【それいゆ】の模型が新たに展示されていた

今回乗船したのは【すずらん】。前回乗船した【すいせん】の姉妹船で通常時は新日本海フェリー敦賀~苫小牧東航路(直行便)で運航されていますが、今回は運航に至る経緯がやや異なるものとなっています。

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23:15頃に乗船開始。色合いや設置されているモニュメントこそ異なりますが、何処か既視感のあるエントランスに出迎えられます。案内所で部屋のカードキーを受け取った後今回の部屋に向かいます。

今回利用した部屋は6F左舷側002号室「Trocadero」。【すずらん】に2室のみ設けられているスイートルームのうちの1室です。

流石は最上級等級、入った際の室内の広さに圧倒されます。

定員は2人。緑色のカーペットが一面に貼られテレビが2台、ベッド横の机と別にテーブル2つ、ソファーが設置。バス・トイレは別でバスルームにも窓が設置され外の景色を眺めることができます。
クローゼットなど収納スペースも複数完備。冷蔵庫にはサービスのミネラルウォーター2本がセット、勿論歯ブラシなどのアメニティ類や茶器なども完備されていました。

ミネラルウォーター2本がサービス(ガラナはコンビニの北海道フェアで購入したものを持ち込み)

アメニティセット

荷物を下ろし身軽になったところでレストランへ。23:30からレストランの夜食営業が開始される為向かいます。【はまゆう/それいゆ】は勿論昨年5月の【すいせん】代船時も営業していましたが、実際に利用するのは今回が初めてでした。

カレーライスとから揚げを注文。今回はこの夜食の利用もお目当てにしていたので夕食でもありました。カレーライスは思いの外ボリュームがありましたが、辛すぎない優しい味とビーフシチュー同様しっかり煮込まれた肉が柔らかく美味しかったです。

食後は大浴場で入浴し、自室に戻って眠りにつきました。

 

翌朝は5:00頃起床。ベッドでうとうとと1時間弱過ごした後エントランス周りの写真を撮った後部屋へ戻り、備え付けのプライベートテラスに出て見たりとゆったりと過ごします。

過去3回はいずれも8:00をまわってから最初の船内放送が入り船内各施設の営業が始まりますが、この日は7:30に最初の船内放送とレストランの朝食営業(~8:30)が開始、大浴場・フォワードサロン・ゲームコーナーが8:00から開放、売店は9:00から営業開始と少しずつ時間をずらしながら各施設が営業・開放されていました。

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プライベートテラス、この時はまだ若干青空がのぞいていたが…
高速で航行するだけに吹き付ける風は強いがまだ風は思いの外冷たくは無かった

すずらんの内装イメージは「大自然」らしくエントランスのオブジェは植物や滝を想起させる

船体の大きさを生かした広いパブリックスペース

この日の朝食はごはん、鮭の塩焼き、みそ汁と単品を組み合わせて和食風。過去3回の朝食はパンを必ず食べていたのでどこか新鮮な気分でした。

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朝食後は開放されたフォワードサロンへ立ち寄り、その際に前方左側を航行する自動車運搬船が見えた為自室へ戻りプライベートテラスからその船を観察、みるみるうちに2隻は近づきやがて横並び、そして後方へ遠ざかっていき、風に吹かれながら見ていたのも相まってこの船が他の船と比べていかに高速で航行しているかを肌身で実感することができました。

フォワードサロン「ラルクアンシエル(仏語:虹)」
この日で一番陽射しが差し込んでいて明るく感じられた

左前方に大型船が

日本郵船大型自動車運搬船を猛追、フォワードサロンで見てから15分程で追い越していった

大型船同士の追い抜きをじっくりと見た後に大浴場へ向かい、冷えた身体を温めた後は部屋へもどりソファで寛いでいました。

10:15頃に姉妹船、そして前回乗船した【すいせん】と反航。朝と比べて雲が厚くどんよりとした天気でしたが、東行きから反航を撮る際晴れていると逆光気味になることを考えると過去2回の東行き乗船と比べると良い条件で撮ることができました。

この日は距離も比較的近かった

11:30からレストランの昼食営業がスタート。【すずらん/すいせん】ではこのレストラン以外にも供食施設があり、そのうちの1つがレストランの丁度反対側に設置されている「グリル」。前回の【すいせん】運航時は新日本海フェリーの春季メニューそのままで提供していましたが、昨年11月以降の【すずらん/すいせん】運航では東京九州フェリーオリジナルメニューを新たに用意し提供しています。

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今回はちょっと豪華な詰め合わせ弁当のような趣きで手軽そうなランチメニューで利用してみることにしました。

乗船時に案内所で受け取った氏名と集合時刻が記された引換券を持参し向かいます。

グリル「Margaux」

シティホテルの直営レストランのような雰囲気

おしながき

かしわご飯に天ぷら、お造り、ビーフシチュー、焼き魚、玉子焼きなどなど盛りだくさんの和食ベースの詰め合わせ。全体のボリュームもあり一つ一つの料理もとても美味しかったです。

そしてデザートとサービスの緑茶もあり期待以上に大満足な内容でした。

いちごケーキ

ゆったりとした昼食を終えて自室へ。14時から営業しているもう1つの供食施設カフェでチョコソフトクリームを買い自室へ持ち帰り。コンビニの北海道フェアで購入し持ち込んだガラナ小倉駅地下のマックスバリューで購入したピザポテトをお供にだらだらと抓んでいました。(グリルで昼食食べた後にスイートルームの室内ですることではない)

ちょっと落ち着いたタイミングで室内に据え付けられている浴室へ。浴室の設備自体はデラックス以上の等級すべての個室に設置されていますが、スイートルームの浴室は大浴場と同じく窓付きでオーシャンビュー。脱衣所との壁面・ドアもガラス張りで、大浴場と異なり浴槽・洗い場自体は狭いとはいえその開放感を独占できるのは唯一無二のものがあります。

生憎の曇り空だったが、もし快晴ならそれはそれは気分の良いものとなるはず

入浴後は流石に眠気もあり、だらだら過ごしたりベッドへ入り昼寝をしたりで過ごしていました。

そして17:30にレストランの夕食営業が開始。今回は航路開設当初からのメニューである肉味噌麻婆豆腐とごはん、デザートに安納芋のクレームブリュレを注文。

肉味噌麻婆豆腐は控えめな辛さに小さめに角切りされた豆腐と肉が良く絡んでいました。驚いたのは安納芋のクレームブリュレ。表面はしっかりカリカリで中身は濃厚でまた食べてみたいと思いました。

麻婆豆腐には山椒を加え辛さの調整もできる

レジへの順路を示す案内が大きく提示されていた

夕食を食べ終わり暫くすると浦賀水道から東京湾内へ進入。船内のBGMが流れ出し、プライベートテラスからは三浦半島沿岸、そして煌々と輝く横須賀の街灯りが見えてました。

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太平洋へ向け南下する貨物船と反航、湾奥部は横浜・川崎・千葉・東京港と首都圏の巨大貿易港が構える

着岸前の最終アプローチ、何度来てもマンションの並ぶ市街地との近さは目を見張る

20:30頃には着岸。定刻よりやや早めの20:41頃に徒歩乗船者の下船が始まります。

ターミナルを出ると多くのトラック、乗用車、二輪車がターミナル敷地からの出場するために列をなしていました。

遠くは鹿児島からもトラックが乗り込んでいる様子、それ以外の九州ナンバーも多く見かけた

15分程歩くと京急横須賀中央駅、この日は平日ダイヤで快特に乗り込み北上した

北海道航路と九州航路の掲示物や売店・自販機の商品が入り乱れた2022年5月~6月の【すいせん】運航時と異なり、今回は運航開始から5か月経過したのもあり船内の掲示物や商品、レストランやグリルのメニューに至るまで完全に東京九州フェリー仕様に染まっている形で当たり前の様に馴染んでいることが印象に残りました。

当然のように本来陳列されている筈のガラナ(北海道限定品)の姿はそこにはない

売店には神奈川、九州の土産とオリジナルグッズが並び日本海沿岸の物産の姿はオリジナルグッズに僅かに名残を残すのみ

天候こそどんよりとした曇り空で晴天には恵まれませんでしたが、1人では持て余すほどに広いスイートルームの各設備と広いパブリックスペースと豊富な船内設備でゆったりと寛ぐことができました。

そして、今回の【すずらん】乗船で東京九州フェリーで運航される4隻【はまゆう/それいゆ】【すずらん/すいせん】全てに1度乗船することができました。

「期間限定」と言いながらGWの多客期まで実に半年にわたり太平洋での「お勤め」が続く【すずらん/すいせん】。本来の就航船であり広々とした展望デッキを満喫できる【はまゆう/それいゆ】の帰りが待ち遠しいと当時に、旅客・貨物が回を追うごとに増えている様子を見ると通年で使える定員の多い船があればと思わずにはいられないとも感じる面もありました。

 

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