阪九フェリー乗船記【いずみ】(2020/10/30)

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1か月ちょっとぶりの新規記事。先日往復でフェリーを利用し神戸に行ってきたのですが今回はその往路の乗船記です。

【乗船日】2020年10月30日~10月31日

【船名】阪九フェリー【ひびき】

【乗船区間】新門司港泉大津

 (関連記事;姉妹船【ひびき】デラックスシングル↓)

shangrillagoonbay.hatenablog.com

 

連絡バスで小倉駅から新門司港へ向かいます。

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小倉駅自由通路掲載の阪九フェリーの広告

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連絡バス乗り場

小倉駅から40分程で新門司港第2ターミナルへ到着。第2ターミナルからの乗船は昨年12月末に同じ泉大津行の【ひびき】を利用した時以来です。

新型コロナウイルスの流行以来では初めての長距離夜行フェリーへの乗船。ターミナル前にバスが到着後、下車時に非接触型の体温計(額にかざすタイプ)を用いた検温を受け、検温済と書かれた用紙を受け取ってからバスを降り、ターミナル内で乗船手続きを済ませます。

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阪九フェリー門司港第2ターミナル

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乗船手続き後に撮った【いずみ】

乗船手続きを行い、乗船券とカードキー、地域共通クーポンを発行してもらいます。阪九フェリーは「Go To  トラベルキャンペーン」の対象事業者となっており、事前にネット上での手続きが必要ですが運賃の35%が割り引かれ、15%分の地域共通クーポンが付与されます。

goto.jata-net.or.jp

staynavi.direct

https://www.han9f.co.jp/information/detail/id/257/ (阪九フェリー Go Toトラベルキャンペーンのおしらせ)

乗船手続きを終えて、4階まで階段で上り乗船口から【いずみ】へ乗り込みます。

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乗船してロビーに入ると、3層吹き抜けと白いシースルーエレベーターに出迎えられます。今回乗船した【いずみ】は昨年12月に乗船した【ひびき】の姉妹船にあたる船で、船体の大きさや幅、総トン数といったところから*1ロビーや露天風呂、レストランといったパブリックスペースや船室の配置や部屋の数など船内の構造は同一です。この2船の違いはこのロビーを始めとした色使い。【いずみ】は茶色を基調にしておりシックな印象を受けますが【ひびき】は薄めのオレンジ色を用いていて明るい印象です。

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参考:【ひびき】のロビー

今回はGO TOトラベルキャンペーンが適用できたこと、そして閑散期に定員2人のスイート個室を利用した際の貸切料金分*2が無料となるキャンペーン*3が行われていたこともあり、今までより少し奮発してスイートの個室を利用しました。

スイートの部屋は最上階の7階。今回は701号室で進行方向の左側にあたります。ここからはスイート船室内の様子を写真で(一部時間帯が前後しています。)

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スイート・ロイヤル(最上級船室)区画の入口

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通路に面したスイート船室の扉

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スイートにはトイレ・洗面台・浴槽が完備。テレビや冷蔵庫も完備。窓も2つあり船室から夕暮れや夜の海、朝日を見ることもできます。そして窓があるため携帯電話の電波も安定して受信することができます。*4
また電気ケトルやバスマット、タオル、スリッパ、歯ブラシやヘアブラシなどアメニティ類も完備。そこに混ざって船内売店でのみ購入できる阪九フェリーオリジナルの玉子せんべいも置いてあります。冷蔵庫の中にはペットボトルの水と緑茶が2本ずつセットされており、無料で飲むことができます。

https://www.han9f.co.jp/ships/room/sweet.html (阪九フェリー公式サイトの【いずみ】スイートの紹介ページ)

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ベッドの横には目覚まし時計もあります。(もっとも朝はそれなりの音量で船内放送がかかるのですが)

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同じ7階の展望デッキへ。この時期は日が短く出航して早い時間帯で山の向こうに日が沈む形です。ちょっと肌寒かったのもありあまり長くは居れませんでしたがファンネルの写真を収めておきました。

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展望デッキの出入口

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そうこうしているうちに【いずみ】は定刻よりやや早く新門司港を離岸・出航しました。新門司港では北側に船首が向いていて港から外へ出るために一度向きを変える(回頭)してから動き出す形になっています。

出航の様子を自室の窓から眺めた後、6階のレストランへ夕食を摂るために向かいます。

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レストラン入口(閉店後に撮影)

阪九フェリーのレストランはカフェテリア方式。入口に入ってから順路に沿って進み、小鉢や揚げ物・焼き物などのメインやデザート、ソフトドリンクやビールなどアルコール類も含め自分で好きなように取り、鉄板焼きなどオーダーメニューを注文。最後に会計といった方式になっています。
この日は旅行会社主催の団体客が2グループいた関係もありやや待ち時間は長め。以前から入口には洗面器が設置されていましたが、そこにアルコール消毒液も設置。隣接する席の利用制限やテーブルで対面する席へパーテーションが取り付けられているなど各所で感染対策が行われていました。
今回は牛もつ鉄板、サンマ蒲焼の卵とじ、ご飯とドリンクにコカ・コーラ(瓶)を注文。コカ・コーラの瓶の蓋は精算時に係員の方が開けていました。

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牛もつ鉄板(画像を一部加工しています)

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サンマ蒲焼の卵とじ(画像を一部加工しています)

船内レストラン・売店ではGo Toトラベルキャンペーンで付与される地域共通クーポンが利用できます。*5

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店舗所在地の扱いは運航している航路によって異なる

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地域共通クーポン(大阪府と隣接する京都・兵庫・奈良・和歌山の計5府県で使用可)

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船内に掲示された地域共通クーポン利用可能についての告知ポスター

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男性大浴場(露天風呂・シャワールーム・更衣室入口)。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、朝時間帯の大浴場・露天風呂開放は中止されている(シャワールームは利用可)

夕食後少し身体を休めてから船内大浴場・露天風呂*6へ向かいます。少し遅めの時間に行ったこともあり人は少な目。特にこの時期以降の露天風呂は外の気温が下がってくることとおよそ時速40kmで海上を進むことによる風でかなり身体を冷やされる為か出てくる人が少ないのかで1人で潮風*7に吹かれながら浸かっている時間帯がそれなりに有りました。

湯船に浸かりしっかり癒された後に部屋に戻り、船内を散策します。

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スイート・ロイヤル区画の廊下

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展望ルーム。内部は落ち着いた佇まいで前面の展望を楽しむことができるが、こちらも感染対策の為閉鎖されている

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デッキプラン①

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デッキプラン②

この後部屋に戻るもすぐには寝れず。暫く窓から外を眺めているとと島の多い海域になり大きな橋が見えてきます。新門司・別府・大分を発着する航路が通過する3つの主要海峡、そして難所の1つ、来島海峡付近に差し掛かっていたようでした。

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翌朝は5時前に目が覚めました。この船の泉大津港到着は6時。身支度と下船の準備を済ませ朝食を購入します。レストラン営業自体は行われているのですが、朝早い時間からあまり食べられないため売店でパンを購入。このパンはレストランで焼きたてとなっており、袋に入れられて販売されており前日の時点で予約することもできます。
今回はメロンパンとクロワッサンを購入。街中に出てから食べることにしました。

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そして船は泉大津港内へ進入。着岸するため再び回頭し始めます。入港時点ではまだ暗かったのですが徐々に東の空が朝日に染まっていきます。

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泉大津港は周囲が工場地帯であることも伴いその明かりも目立つ

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泉大津大橋

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そして10月31日6:00、定刻通り【いずみ】は泉大津港に到着。最初に車両とその運転者、同乗者の下船*8が始まりその後徒歩客の下船が始まりました。

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【いずみ】のファンネルと泉大津港フェリーターミナル

下船後は連絡バスで南海電鉄泉大津駅へ向かいます。バスは南海泉大津駅の他JR阪和線和泉府中駅へ向かう便もありますが前者が無料に対して後者は有料(270円、ICカード未対応)の為注意が必要です*9

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南海泉大津駅西口の阪九フェリー連絡バス乗り場

この後は難波・梅田を経由し目的地の神戸へ向かいました。


昨年12月末以来10か月ぶりの長距離フェリー利用でしたが各種キャンペーンも相まって普段以上に快適な船旅でした。船内各所に消毒液が配置され船内パブリックスペースに配置された椅子には間隔を開けるよう促すような掲示がされるなど感染予防対策も徹底されている印象でした。

往路の乗船記はここまで。実は復路もあるのですがそのうち記事にできればと思っています。(神戸の街も結構色々回っていたのですがそちらは気が向けば…といったところではありますが。)

 











 

 





























 

 

*1:【いずみ】【ひびき】共に全長195m,全幅29.6m,総トン数16,040t,旅客定員625名でトラック277台、乗用車188台を積載できる瀬戸内海経由で九州から関西を結ぶフェリーとしては最大クラスの大きさの船です。

*2:夜行フェリーの場合、定員2名以上の個室を1人のみで利用した際は通常の運賃に加え貸切料金として不足する1人分あたり50%が貸切料金として加算されます。会社によっては定員に対して2人以上の不足が発生する形での貸切、例えば定員3人個室の1人での利用などは不可能としている場合もあります。

*3:阪九フェリー名門大洋フェリーではお盆や年末年始、5月や9月の大型連休を除外期間とする形でキャンペーンとして展開されますが、新日本海フェリー太平洋フェリーなどは冬など閑散期期間中の貸切利用は貸切料金無しとしている会社もあります。

*4:前回利用した【ひびき】デラックスシングルの室内は船体の真ん中で壁に囲まれた船室の為か圏外になることが多いです。

*5:乗船手続き時には紙クーポン券で付与され、船内での利用については電子クーポンは利用できません。また付与されるクーポンは到着地の都道府県のものとなり、今回は泉大津港到着便の為大阪府とその隣接府県で使用可能な紙クーポン券が付与されます。

*6:九州発着の長距離夜行航路の就航船で露天風呂が設置されているのは2020年現在では阪九フェリーのみ。阪九フェリーと同じSHKライングループで2021年7月就航予定の東京九州フェリーで運航される2隻にも設置されます。

*7:そよ風といったものではなく結構しっかり吹きこんできますし髪も潮風でごわつくような形ですがそれでも気持ちが良いものです。

*8:通常であれば車両と運転者のみで下船し同乗者は徒歩で下船し合流する形態をとりますが下船時の混雑、もとい密接を避けるためか同乗者も車に乗って下船可能となっているようでした。

*9:このほかにも泉大津港からは難波OCATへ向かう有料バスも運行されていましたが、現在は運休しています。