越県移動緩和、【かもめ】に乗って「青い鴎」を見に行く(後編)

 

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前回(↓)の続きです。

shangrillagoonbay.hatenablog.com

 グラバー園から三菱重工長崎造船所で建造中の新造船を存分に眺めて満足し、この行程最大の目的を達成した後、甘いものが食べたくなったので事前に下調べしておいた喫茶店へ向かいます。

グラバー園の周辺は南山手地区と呼ばれ、江戸幕府と諸外国との通商条約*1が締結され長崎港が開港された当初から外国人居留地として整備され、一帯には幕末から明治にかけて整備された洋風住宅や大浦天主堂なども立地する異国情緒あふれる観光名所となっているのですが…。

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大浦天主堂。今回は時間の都合で外観のみ

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人がいない…。

観光客らしき人の数は疎ら…。

この日は都道府県境を跨ぐ移動が全面緩和されて初めての土曜日。全く人がいない...というわけではなくそれなりにグラバー園大浦天主堂を訪れるであろう人ともすれ違うのですが有名観光地としてはかなり人出は少ないといったところでしょうか。

もっとも私自身長崎を訪れたのはこの時が初めてで以前との比較ができるわけではないのですが、もう少し人がいるものだと思っていたのでやはり驚きでした。

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幕末の開港以前から出島を通してオランダとの外国との交流があった長崎。開港場だったのもあってか長崎が国内での発祥の地となったものも多くあります。(西洋料理、国際電話電信、ボウリング、写真にはありませんがパフェも日本では長崎発祥のようで…。)

そして坂を下り大浦天主堂電停から路面電車に乗り思案橋電停へ向かいます。

路面電車(長崎電気軌道)の料金は区間を問わず均一130円。今年の3月からはsuica等全国交通系ICカードの利用もできるようになっています。

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大浦天主堂電停付近。大浦電停~大浦海岸通電停の間は川があり幅員が狭い関係で単線区間となっている



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新地中華街電停で乗り継ぎ、思案橋電停で下車。下車後徒歩1分ほどで目当ての喫茶店へ到着です。

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www.nagasaki-tabinet.com

思案橋電停のある交差点から横道に入りすぐの四つ角を右に曲がって少しのところにある喫茶店「ツル茶ん」。ここが今回2つ目の目的地です。

これは到着がちょうど昼頃で真っすぐ鍋冠山へ出向くことを考えたとき、悠長に昼食を食べていられないのでは?と思ったのですがご当地のものを何も食べずに帰るのはあまりにも勿体無いと考え「だったら長崎のミルクセーキを食べたい」と思ったのが理由です。

お目当てはこの店が発祥の長崎風ミルクセーキ。通常のミルクセーキと異なるのはかき氷状で提供されるという点。やはり前半でそれなりに坂道を歩いたのもありひんやりとして優しい甘みは体にしみわたります。ついでにカスタードプリンも注文。

似たようなものを2品注文しましたが、実際昼食はまともに食べていない*2のでこれで丁度いい腹ごしらえになりました。

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そして腹ごしらえの後14時30分ごろにお店を出ます。帰りの【かもめ30号】の長崎駅発車時刻は16時17分。長崎駅に30分前につくように考えても約1時間半ぐらいの時間ができたので街中を少しばかり散策することにしました。

すると早速珍しいものを発見。

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この浜町商店街のアーケード街は全体が国道324号線区間として正式に指定されています。但し車両が通行できるのは歩行者専用道路の時間帯指定以外の早朝5時から午前9時59分までの5時間のみ。

グラバー園界隈とは打って変わり、商店街は多くの人で賑わいを見せていました。

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アーケードを抜けると目の前には中島川を挟んで両岸に多くの建物が並びます。

往路で新地中華街電停から眺めたとき「これは良い」と思ったのですが、こういう感じの中心部っぽい風景は結構お気に入りです。

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そして出島方向へさらに歩を進めていきます。

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出島の脇を通り過ぎ長崎港方面へ抜けていきます。

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そして大波止電停から路面電車長崎駅へ戻ります。

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長崎駅に到着。それなりの距離を歩いたのもあり帰宅まで4時間以上あることから小腹を充たしたいと思い角煮まんじゅうを1つアミュプラザで購入。帰りの【かもめ30号】で食べることとしました。

www.pref.nagasaki.jp

https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2019/12/13/201912132020harusingatasyaryoudounyuusimasu.pdf (2019年12月18日、JR九州プレスリリース)

今年3月28日に高架化開業した長崎駅。現在路面電車の電停のある側は東口とされ、旧地上駅時代のホーム等を介して新駅舎と仮設通路で結ばれています。

旧地上駅ホームやその付帯設備は撤去・解体工事が進められていました。

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かつての改札口。自動改札機は撤去され発車標らしきものもも隠されている。ここから旧ホームの仮設通路を300m進むと高架新駅舎

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券売機もすでに撤去されている様子

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旧改札正面から旧地上ホームを望む。レールも撤去済みでここから列車が発着することは2度と無い

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旧ホーム仮設通路

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撤去されたレールの向こう側には建設中の新幹線高架駅舎

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旧ホームに残された役目を終えた発車標。いずれ撤去されるであろう。

役目を終えた地上駅。新しく整備された長崎線の高架線とそこに並び工事が進む新幹線高架。長崎駅はまさに大きな変化の真っ只中にありました。

地上駅跡地は東口駅前広場としてこれから整備が進み、現アミュプラザに隣接して新駅ビルが整備。高架の西側ではホテル・会議場一体の複合施設の建設に2022年の新幹線部分開業と数年後には大きく景色は様変わりすることとなります。

(ただ高架駅への移転で路面電車の電停までかなりの距離ができてしまっている状況で、現状路面電車を新駅舎に近づける計画も特に無いのが気になるところです…南北方向丸々移設とは言わずせめて南方面のみでも駅前引き込み線でもあれば乗換が楽になりそうな気もします。)

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そして新駅舎へ到着。この在来線高架駅での「佐賀」「博多」の文字もそう長い期間見れるものでも無いでしょう。

そしてまだ開業間もないと言って良い新駅舎。

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そして5番のりばに第3走者【かもめ30号】が到着。「そういえば【かもめ】って黒いのもそうだけど白いのもいるよな…。」と思って待っていました。

そして…。うーん帰りも君だったか。*3

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清掃直後に乗車し指定した座席に着席。乗車直後でほかの方もいらっしゃらなかったので車内の写真を撮りました。

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1人掛けの席があったので迷わず予約した席。

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f:id:shangrillagoonbay:20200627131933j:plain往路で乗ったのは3号車。この復路では4号車。しかし同じ形式の車両なのに妙に広々としてて豪華だなあと当時思っていたのですが、調べてみるとどうやらこの4号車、元から普通の指定席車両だったわけでは無く元々ビュッフェスペースだったものを改造した車両だったようです。
というよりこの車両(787系)もともと【つばめ(在来線特急)】のイメージの方が個人的には強くて、むしろ【かもめ】は白いイメージ(885系)があったのはあります。

そして16時17分、【かもめ30号】は定刻通り長崎を発車。滞在時間わずか4時間とかなり駆け足な日程で長崎を発ちました。

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そして長崎線鹿児島本線を駆け抜け定刻の18時15分、博多に到着。ラストランナーの【さくら568号】まで30分ほど時間があったため少し駅構内と博多口正面を散策。

しかし福岡まで来ると流石は政令指定都市。やはり人は多かったです。

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また近いうちに乗りに来ます

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新幹線開業後は【リレーかもめ】となるのだろうか?

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西日本シティ銀行本店。再開発の為この6月から解体工事が始まっている

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新幹線改札口は博多の中央改札が一番デザイン的に好み

在来線構内・駅前広場・自由通路はかなり人出があるように見えたのですが、新幹線構内に入ると全くの無人ではないにしても以前に比べて人は疎ら。越境自粛要請の緩和直後とはいえ長距離交通手段に人が戻ってくるには暫く時間がかかりそうな印象を受けました。

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そして今回のラストランナー【さくら568号】で帰路につきました。

今回の長崎行き、2週間前にファンネル搬入の情報を得てから思いついて目的を絞って回ったため下調べ不足だったり駆け足な日程で取りこぼしたスポットも結構ある形とはなりましたが、それでも越境移動1発目としてはかなり満足度の高い日程になりました。

長崎造船所で建造の進む新造船の新日本海フェリーへの引き渡しの予定は来年3月とされており、日程等はまだ不明ですがこれから進水・命名式などのイベントも控えています。新造船だけでなく勿論長崎の街自体もすごく魅力的なので次回は是非泊りがけで街を巡ってみたいものです。



























 

*1:1858年(安政5年)にアメリカ含め5か国(オランダ・ロシア・イギリス・フランス)と締結された修好通商条約、一纏めに安政の5か国条約とも

*2:新鳥栖駅ファミリーマートで買ったかしわ飯のおにぎり2つとから揚げ1つの入ったセットを【かもめ13号】車内で食べてはいます

*3:正直初めて乗る特急なので2つの車両の違いはよくわかってません(見る人が見れば予約時の座席表で何となくわかるのかもしれませんが)。ただどうせならもう片方に乗れたら面白いかなあぐらいの心持ちでした。