期待の新航路、「東京九州フェリー」(適宜更新)

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今回は前々回の記事の最後で触れた横須賀~北九州間の新規開設される航路についてですね。今私が一番期待している話題の一つです。

これまでに分かっている情報を纏めていきます。(新しい情報があれば適宜更新するかもしれません。)

shangrillagoonbay.hatenablog.com

 計画が発表されたのは2018年12月18日、横須賀市の市長記者会見の報道発表資料でした。

www.city.yokosuka.kanagawa.jp

このたび、横須賀港と北九州港を結ぶ新規フェリー航路の2021年春の就航を目指し、本市、北九州市及びフェリー航路を運航するSHKライングループが連携して航路開設に向けて動き出しましたので、次のとおりお知らせします。

1.概要

昨今のトラックドライバー不足の深刻化や環境問題などを背景に、海上輸送へのモーダルシフトの需要がますます高まっています。

このような状況も踏まえ、本市ではフェリー等による横須賀港での定期航路の実現を目指し、精力的にポートセールスを行ってきました。

この取り組みが実を結び、このたびSHKライングループが北九州港とのフェリー航路の開設に向け検討することとなりました。

2.運航形態

総トン数約16,000トン級のフェリー2隻体制として、横須賀~北九州間において1日1便のデイリー運航(片道20時間30分・週6便)が行われることにより、関東経済圏と九州経済圏を海で結ぶ物流と旅客の大動脈が形成されます。

3運航開始

2021年春に商業運航の開始を予定しています

 この報道発表にはSHKライン*1のプレスリリースと参考として現在同グループの新日本海フェリーが運航する敦賀~苫小牧東航路で使用されている【すずらん】【すいせん】の写真も添付されています。

https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/6620/nagekomi/documents/shk-houdou.pdf

https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/6620/nagekomi/documents/ferry-image.pdf

この段階では船を新規で建造するのかはたまた既存の船やグループ会社の他航路で使用されている船を転用*2するのかや、実際の発着地について公式には分からない段階でした。

それでも従来関東~九州間で唯一旅客航路を運航するオーシャン東九フェリーの所要時間約34時間*3に対して所要時間は20時間半と大幅に短縮することや縮小が続いてきた長距離フェリー航路では久々となる新規航路の就航などから注目されることとなります。

 

年が明けて暫くたった2019年4月17日、資源エネルギー庁補助金公募の結果についての資料に新航路に関するある情報が判明します。

追記:この事業(内航船の運航効率化実証事業、内航海運の省エネルギー化実証事業)は資源エネルギー庁(経済産業省)と国土交通省(海事局)の連名で行われているため同じ日付で発出された国交省のプレスリリースも添付します。

www.enecho.meti.go.jp

www.mlit.go.jp

2019年度「貨物輸送事業者と荷主の連携等による運輸部門省エネルギー化推進事業費補助金(内航船の運航効率化実証事業(内航船の総合的な運航効率化措置実証事業))」に係る補助事業者について、平成31年2月15日から平成31年3月12日まで公募したところ、6件の応募がありました。

応募のありました提案について、厳正な審査を行った結果、次のとおり補助事業者を決定しましたのでお知らせいたします。

(中略)

新日本海フェリー株式会社(法人番号 5430001050054)

「新門司~横須賀航路に就航する新造フェリーによる省エネ実証事業」
採択額:139,150,000円

ここでこの新規開設される航路に新造船を直接投入することがわかります。

そして暫く間が空き2019年8月29日付の日本海事新聞電子版。ここではSHKライングループの代表である入谷泰生新日本海フェリー会長の新航路に関するインタビュー記事が掲載されます。(元記事は有料のためインタビューを受けて掲載された「タビリス」の該当記事のリンクも添付します。)

https://www.jmd.co.jp/article.php?no=249485

tabiris.com

 この時点で新たに分かった情報は要約すると

  1. 新航路には新造船を導入する。発注先は三菱重工長崎造船所。1隻目は2021年3月頃、2隻目は同年6月に受け取り。就航当初からデイリー運航する。
  2. 発着場所は横須賀側は横須賀港新港埠頭*4、北九州側は門司港*5。両港の地元と協力し旅客ターミナル等を整備する。
  3. 運航会社名は「東京九州フェリー」*6
  4. 海上運航距離の近い新日本海フェリー敦賀~苫小牧東航路をモデルとする。
  5. 旅客サービスは新日本海フェリーと同等のサービスを提供したい。

goo.gl

goo.gl

そして凡1か月後の9月24日、三菱重工からこの新造船についてのプレスリリースが発表されました。

www.mhi.com

◆ 長崎本工場(立神)を活用して大型フェリー建造に対応
◆ 在来船比6%省エネ化、SOx排出規制対策スクラバー搭載で燃費性能、環境性能を向上

(中略)

三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:大倉 浩治、本社:横浜市西区)は、大型高速フェリー2隻を新日本海フェリー株式会社から受注し、三菱重工業 長崎造船所の本工場(立神)で建造します。完成・引渡しは2021年の予定です。

本船は、長さ約222.5m、幅25m、深さ20.4m、喫水7.4m、総トン数約1万5,400トンです。旅客定員268人で、12mトラック約154台および乗用車約30台の積載能力があります。客室区画には、3層吹き抜けのエントランスがあり、シースルーエレベーターが装備されています。また、露天風呂や展望浴場にてクルージングしながらの温泉気分を味わえ、レストランやバーベキューコーナーで海を眺めながらの食事も楽しむことができます。

環境面への配慮では、新型最適船型の採用などにより在来船と比べ約6%の省エネルギーを実現。また、2020年から全海域が対象となるSOx硫黄酸化物)の排出規制への対応策として主機関(4台)および発電機関(3台)に排ガス浄化装置(スクラバー)を搭載します。

(以下略)

 そして12月8日に三菱長崎造船所立神工場で起工式が行われ船の建造が始まったのですが、このニュースが掲載された元記事(NHK NEWS WEB)はもうすでにアクセス不可…。

そして2020年1月1日付の神奈川新聞には少し気になる情報が。

www.kanaloco.jp

そしてこの続報が2月12日付の神奈川新聞に掲載されています。

www.kanaloco.jp

2020年6月25日付の神奈川新聞の記事。横須賀市、東京九州フェリー、横須賀港運協会の3者で協議会の場が持たれていますが議論は平行線のようで…。

www.kanaloco.jp

そして少し時をさかのぼりますが北九州市港湾空港局の令和元年度予算の概要に新航路就航に伴う新門司港整備の為の予算も計上されているようです。

http://www.kitaqport.or.jp/jap/bureau/download/policy_2019gaiyou.pdf

現時点(2020年3月20日)で分かっている情報としてはここまでとなります。

 

横須賀側の発着港となる新港埠頭*7京急横須賀中央駅から徒歩15分、横浜駅からは京急線快特で30分弱、品川駅からは45分と鉄道での東京・横浜方面からの鉄道の便もいいため徒歩乗船*8の面のアクセスが良く、車やトラックでも首都高、将来的には圏央道*9と繋がる横浜横須賀道路の横須賀ICから10分ほどの距離、船舶側も多くの貨物船などで混雑する東京湾の奥まで進むより早く到着できるなど物流・旅客双方にメリットのある航路となりそうです。

また、サービス面でも新日本海フェリーと同等レベルを提供したいとのことで船舶には露天風呂が設置されるなどかなり気合を入れてくるものとなりそうです。長時間の航路となるだけに食事の面にも期待したいですね。

参考:同グループの阪九フェリーで提供される夕食(オーダーメニュー)*10

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 その一方で港の旅客ターミナル等の整備ではある程度既存の設備を使うことのできる新門司に対して、横須賀では港湾業者等との協議会を設けて話し合いを進めていくなど課題もありますが、なんとかうまく取りまとめて欲しいと願っています。

詳細な運航ダイヤや料金、船内の構造等まだわからない部分も多いこの航路ですが就航まで残り1年半を切っており、楽しみに続報を待ちたいところです。

2020/3/24追記

東京オリンピックの1年延期、2021年夏ごろまでに開催の報が入ってきましたが… 

tokyo2020.org

tokyo2020.org

 予定通り来年の就航となれば期せずしてオリンピックイヤーに「東京九州フェリー」は就航を迎えることとなりそうです。

 

2020/4/11追記

新年度に入り国や自治体の令和2年度予算の概要がホームページ上で公開されていますが新門司港の整備に関する予算・項目が一部出てきたので一部を抜粋します。

国(国土交通省九州地方整備局)

www.qsr.mlit.go.jp

 

http://www.qsr.mlit.go.jp/site_files/file/r2_sankou%20kouwan%20toshi%20eizen.pdf

 (参考資料 代表箇所の個表 (港湾 空港 都市 住宅 営繕))

 

自治体(北九州市港湾空港局)

www.kitaqport.or.jp

 参考:北九州市港湾空港局HP 北九州港長期構想・港湾計画

http://www.kitaqport.or.jp/jap/outline/tyouki_kousou/shinmojikita_1912.pdf

 (令和元年12月 港湾計画(軽微な変更)新門司北地区)

このうち九州地方整備局の令和2年度予算概要と北九州市港湾空港局の新門司北地区の港湾計画*11変更についてでは整備・変更される箇所の地図も掲載されています。

(北九州市港湾空港局の港湾計画変更についての資料には水深や岸壁の長さも記載されています。)

三菱造船のプレスリリースで掲載された建造中の船のサイズは長さ222.5m、幅25m、喫水7.5m*12。国の予算概要で赤色に塗られた整備箇所を北九州市港湾空港局の資料と照らし合わせると、整備箇所の岸壁長さは230m、水深10mと船の大きさとも合致するようにも読めそうです。

岸壁そのものの整備は国が、埠頭用地の整備は北九州市がそれぞれ行う形となるようです。

もしこの場所の発着となるならば既存の阪九フェリーのターミナルからは約2km、車で4分ほど離れた場所となりますが、旅客ターミナル用の建物を整備箇所に建てるかが注目点でしょうか?

goo.gl

 2020/6/21追記

現在三菱長崎造船所で建造が進む新造船について、その運用に関して気になる情報が入ってきました。

www.mhi.com

www.nippon-foundation.or.jp

www.youtube.com

◆ 実船舶に無人運航を可能とするシステムを装備して国内航路で、乗組員による監視・待機のもと実証実験を実施
◆ 大型機器の遠隔診断技術も活用して、総合システムとして実証実験を実施

三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:大倉 浩治、本社:横浜市西区)は、公益財団法人 日本財団が公募した「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」に新日本海フェリー株式会社と共同で応募し、採択されました。これを受け三菱造船は今後、新日本海フェリー株式会社と共同で日本財団助成金による支援を得て、無人運航を可能とする要素技術・システムを開発し、国内航路で無人運航船の実証実験を行います。

今回の実証実験は、三菱造船が新日本海フェリーから受注して三菱重工業長崎造船所の本工場(立神)で建造する大型高速フェリーに、今回開発するシステムを搭載し、乗組員による監視および待機のもとで十分に安全を確保しつつ、無人運航を実施するもので、期間は2021年6月末に予定されている本船引渡しから2022年5月までの約1年間の予定です。

(以下略)

 

昨年8月の日本海事新聞の記事で船の船の引き渡しは2021年3月と6月に予定されているとの記載から、今回三菱造船・日本財団からのプレスリリースに記載された無人航行システムの搭載及びシステムを用いた実証実験は2番船で行われるものとみられますが、問題は日本財団の記者会見で発表された無人航行の実証実験が行われる航路が「敦賀~苫小牧航路(新日本海フェリー)」であるということです。

今年3月にドック入りしていた通常時敦賀~苫小牧航路で運航される【すずらん】【すいせん】の船体側面の文字が従来の「Shin Nihonkai」からドック明けに「Crusing Resort」へ変更されているということもあり、実際の航路就航時と実証実験の兼ね合いからどのような運用がされるかが気になるところです。

そして6月20日、長崎へ出向いてグラバー園から建造中の新造船を撮影したのでそちらの写真も何枚か*13

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写真を拡大すると…

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 さらに船体後部を拡大。

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そして写真を見返すうちに気になった船体中央も拡大。

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これらの写真から読み取れるのは

  • 船体側面には青い鴎のロゴマークに水色と青色の4本線の塗装(新日本海フェリーの各船に見られる)に「Crusing Resort」の文字
  • 船体前面の船室などの建造が進んでいる(三菱造船のプレスリリース添付のイメージ画像を参照)
  • 船体中央部を拡大した写真の真ん中付近の空間らしきものはエントランスの3層吹き抜け部分?(当該部分の上層にあたる構造だけ半円状のような形に見える)
  • 船体側面後部に記載される船名は4文字、船籍港名は2文字
素人目には上記の4点でしょうか?
今回は確認できませんでしたがファンネルマークが従来新日本海フェリーの各船で採用されてきた「白地に赤で二引でSを挟んだ」ものではなく「白地に赤でTKを模った(Tokyo Kyushu Ferryから?)」ものが搬入されたとの画像もSNS上で見かけ、実際の船舶の完成形が気になるところです。
 
2020/8/8追記
7月28日、東京九州フェリー株式会社を出願人とした自社のロゴマークが商標登録されました。
この自社ロゴは長崎造船所に搬入されたファンネルマークと一致するものとなっています(出願番号2020-84688)。
 
8月1日に北九州市の新門司港、津村島公園周辺に出向きました。
今年3月末の九州地方整備局北九州市港湾空港局の予算概要・北九州港の港湾計画による岸壁整備箇所はこの津村島公園付近の「新門司北10号岸壁」とされています。
訪問した当日は土曜日でしたがこの日も重機や作業員の方が入り工事が続いていました。

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写真に写っているフェリーは新門司港を発着する阪九フェリーの【つくし】。通常着岸している箇所が整備の為この日は工事エリアの隣接地(新門司北11号岸壁)に着岸していました。

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「新門司北10号岸壁」の付近へは以前より片側2車線の道路が伸びており、新門司港入口北交差点を介して九州自動車道新門司IC(小倉・福岡・鳥栖方面へのハーフインター)、門司IC(下関・山口・広島方面からの最寄りインター)まで片側2車線の道路が続いています。出入港時間帯は多くの輸送車両、時期によってはバイクや乗用車も多く通行することになりそうですが、比較的走りやすい道路だとは個人的には感じました。
 
 そして8月7日。三菱重工長崎造船所本工場(長崎市立神)で建造されていた新日本海フェリー発注の新造船の命名進水式が挙行。船名は【はまゆう】となりました。

www.jmd.co.jp

また8月8日付の日本海事新聞の記事では新たに

  • 就航は2021年7月を予定
  • 新造される2隻の船舶管理・所有は新日本海フェリーが行い、東京九州フェリーが運航と旅客営業・集荷を行う。
  • 上り(東航)便は新門司0:00発、下り(西航)便は横須賀23:45発で所要時間は21時間。
長崎新聞の情報では、船内設備は昨年9月の三菱造船プレスリリースで明らかになっていた露天風呂・レストラン・バーベキューコーナーに加えシアター設備*14が設置されるとの記載もありました。
【はまゆう】は寄港地の横須賀市の市の花となっており、歴代の新日本海フェリーの船名が植物、とりわけ花の名前からとられていることを考えると腑に落ちる…と言いたいところですが既に【はまゆう】は同じSHKライングループの一角、関釜フェリーの船名で既に使用されていた船名*15ですから個人的にはちょっと意外な印象を受けました。

www.city.yokosuka.kanagawa.jp

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参考:関釜フェリー【はまゆう】(写真左側)
 2020/8/30追記
8月11日付で新日本海フェリー公式サイト上で「東京九州フェリーに就航する新造船の命名進水式が行われました」の題名でお知らせが公開されました。船会社側公式からのHP上での言及は今回が初めてです*16
8月7日(金)、三菱重工業株式会社長崎造船所において、
東京九州フェリー株式会社の横須賀~新門司間に就航する第一船の命名進水式が執り行われ、
「はまゆう」と命名されました。

「はまゆう」は横須賀市の花であり、花言葉“どこか遠くへ”の通り関東と九州の架け橋として、新たな需要を開拓します。
本船の高速性(航海速力28.3ノット)を活かし、横須賀~新門司間を約21時間で運航します。(中略)

(中略)船内は3層吹き抜けのエントランスとシースルーエレベーターを設け、豪華な船旅気分を演出します。レストランやバーベキューコーナーで海を眺めながらのお食事を楽しむことができ、最上階では太平洋の風を肌で感じながらの露天風呂、プラネタリウムや映画を観賞することができるシアターが備え付けられています。船室は専用テラス付き個室の他、家族が利用しやすい和洋室、ペットと同伴できるウィズペットルームを用意しています。ツーリストクラスもプライベート空間が確保された寝台により快適な船旅を提供します。(以下略)

 また運航ダイヤと船体の仕様、船内の船室割り当ても同時に発表されました(上記記事より引用)。

(予定)
 *就航時期 :2021年7月
 *就航航路 :横須賀~新門司間(976㎞)
 *運航ダイヤ:日曜日を除く週6便運航
   横須賀発 23:45 新門司着 翌日21:00
   新門司発 24:00 横須賀着 当日20:45

〇就航船舶の主要目
 全  長:  222.5m
 総トン数:  約15,400トン
 主  機:  8,540kw×4基
 速  力:  28.3kt(航海速力)
 積載台数:  トラック 約154台 / 乗用車 約30台
      (車両甲板は2層構造となっております。)
 旅客定員:  268名
       デラックス                                     2名 ×  2室 =  4名
       ステート和洋室                               4名 × 18室 = 72名
       ステート  (ウィズペット)         2名 ×  2室 =  4名
       ツーリストS(1名個室寝台)                                           62名
       ツーリストA(傾斜階段式2段寝台)                                 96名
       ドライバー室(1名個室寝台)                                           30名

 従来新日本海フェリーで運航されている他船の4割程度の定員からか、船室構成は最上級クラスはスイートではなくデラックス(従来船では船室内トイレ・洗面・バスルーム・プライベートテラス有り)となり、近年の個室化・階段式寝台化の流れから所謂大部屋雑魚寝の設定は無し、定員の約20%を1人用個室のツーリストSが、階段式2段寝台のツーリストSを含めると実に定員の60%弱を1人利用の区画が占めています(後述のドライバー用個室を含めると定員の70%を占めます)。
個室は定員2名のデラックス2室とステート(ウィズペットルーム含む、トイレ・洗面(【らべんだあ】級ではシャワールーム追加)設置)が定員4名で18室、合わせて20室で定員の30%弱、残りの30名分がドラックドライバー向けの1名個室で30名、10%強となっています*17
 
船内設備については昨年新日本海フェリーが発注した際に発表された三菱造船側からのプレスリリースの内容と概ね同じですが新たにシアター設備での映画・プラネタリウム鑑賞との記載が追加されています。

 

そして同じ8月11日付の「建通新聞」で関東側の発着地、横須賀新港のフェリーターミナル建屋について竹中工務店が発注するとの記事が公開されました。順調に進めば10月初旬の着工との予定となっていますが…。

https://www.kentsu.co.jp/webnews/html_top/200807400038.html#

運航ダイヤとターミナル建屋の着手に関する情報が出てきたことから地元側との協議に一定の目途が付いたといえるのか、それとも工程が先走ってしまっているのかがやや不安要素ではありますが、上手く事が運んでいることを願いたいところではあります。

8月29日、2か月ぶりに長崎を訪れ複数の箇所から艤装工事が進む【はまゆう】の姿を撮影しました。

撮影箇所は鍋冠山公園展望台(前半3枚)と長崎水辺の森公園(後半3枚)の2か所です。

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ここからは長崎水辺の森公園撮影の写真を前方・中央部・後方に切り分けたものをそれぞれ

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【はまゆう】船体前方

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【はまゆう】船体中央部

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【はまゆう】船体後方

これらの写真からは

  • 船体後方の船名・船籍港標記が保護されたまま(船籍港はどこに?)
  • 船体中央部の写真の右側に露天風呂らしきスペース
  • 船体前方にデラックスのプライベートテラスへ出入りできる窓配置
  • 事前に三菱造船のプレスリリースで公表された通り船首は垂直(垂直ステム)
  • 船室区画は定員の為かファンネル(白地に赤でTKを組み合わせたマーク表記)より船首側に配置
  • 船体には青色水色の4重線(船体文字より船首寄りは2重線)に2羽の鴎モチーフ、Crusing Resortの文字

と、いったところでしょうか。

 

2020/11/22追記

(かなり間が空いてしまいましたが)船の建造、新門司港の岸壁整備は着実に進んでいます。
まずは船の様子から。

2020/11/21に長崎を訪ねた時の写真から。撮影は8月訪問時と同じく鍋冠山公園展望台と長崎水辺の森公園からです。

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8月の訪問当時は進水式からまだ然程経っていない時期だったことから船室の大部分に足場や囲いか設けられていましたがそれらは外れ、【はまゆう】はその船体の姿を現しました。また、夕方鍋冠山公園から撮影した際にはファンネルから白い煙を排出する姿も確認。船体の内外の工事はかなりの段階まで進んでいると予想でき、実際の海上での試運転(公試)もそう遠くない時期に行われるのかもしれません。

youtu.be

そして、【はまゆう】の姉妹船にあたる船の建造もドック内で進んでいます。

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こちらもファンネルが船体に搭載。【はまゆう】の時はファンネル搭載後約1か月で進水式となった為、2番船の進水式も年内には挙行されるのでしょうか。

そして新門司港の岸壁工事。こちらは8月後半に隣接する遊歩道が整備工事の関係で封鎖。地上からの確認は難しくなっていますが11月初旬に阪九フェリー【いずみ】と【せっつ】で新門司港へ出入りした際に船上のデッキから確認した写真を。

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岸壁整備箇所の整地・舗装といった整備が進み、【はまゆう】に対応する為とみられる航路浚渫工事も進んでおり受け入れ準備は着実に進んでいます。

 

一方の横須賀側。こちらは港湾事業者と港湾管理者の市側が対立。9月末に工事は着工されましたがその後岸壁の使用許可を巡り裁判となっています。

横須賀市側は岸壁について一部の区画で時間帯ごとに共用使用する案を提示するなどの案の提示するなどの動きもあるようです。*18

www.nikkei.com

motoi-tsunoi.at.webry.info

 

2020/12/27追記

 2020/12/4、【はまゆう】新日本海フェリーでの運用についてのプレスリリースが公式サイトに掲載されました。*19

www.snf.jp

www.snf.jp

 2021/3/5の舞鶴~小樽航路の北航便で就航。通常この航路でははまなすあかしあの2隻で運航されていますが、2021/2/14からはまなすが定期検査の為ドック入り*20するためあかしあが隔日で運航、そのあかしあは2021/3/7以降は敦賀~苫小牧東航路で運航されているすずらんが同じく定期検査の為ドック入りする為敦賀航路の運用に回り、通常時に運航する2隻ともに不在となる舞鶴航路で【はまゆう】が代船として運航されることとなります。なお3月下旬にはまなすあかしあ舞鶴航路復帰後は同じ3月下旬から定期検査の為ドック入りする【すいせん】の代船としてはまゆう】敦賀航路に就航する記載となっています。

【はまゆう】は本来の東京九州フェリーの就航4か月前と一足早いデビューとなります。なお通常新日本海フェリーはどの航路でも公式サイトからインターネット予約が可能ですが【はまゆう】運航便は電話予約のみとなっています。

 

2021/12/23、三菱重工長崎造船所本工場(長崎市立神)で建造が進められていた【はまゆう】の姉妹船にあたる2隻目の命名進水式が行われ【それいゆ】命名されました。

【はまゆう】横須賀市の市の花から採られた船名である一方、【それいゆ】の船名の由来は北九州市の市の花ひまわり*21をフランス語訳したものとなっています*22

また進水式と同日の12/23に東京九州フェリーの公式サイトが開設。【それいゆ】進水式の詳細なプレスリリースはこちらに掲載されています。【はまゆう】と同型の為総トン数や旅客定員、船室構成、航海速力は同一の記載となっていますが、新門司港発の時刻が0:00から23:55に変更されています。

www.snf.jp

tqf.co.jp

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現時点の公式サイトには船舶紹介と運航ダイヤ、レストランと露天風呂、そしてレストランで提供される(?)メニューのイメージ画像が掲載されています。

門司港では岸壁整備や航路浚渫に並行してターミナル建屋の建設が着手。2020/12/26にターミナル・岸壁に隣接する津村島緑地から確認すると建屋の鉄骨が組まれ始めていました。

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2021/2/7追記

1月下旬から2月上旬にかけて、新門司、三菱長崎造船所双方の現況を確認するために訪れました。

門司港ではターミナル建屋とみられる建物の建設工事が進行。周辺には電柱や駐車スペースの為の照明設備、路面の舗装工事が進められていました。

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ターミナル用地に続く道路沿いには電柱が設置され始めた

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岸壁付近に設置され始めた照明設備とみられる構造物

岸壁側では、実際の船舶と接続するためのサイドランプ等の設置もなされているとの情報も見受けられますが陸上からの確認はほぼ不可能。日の入りが徐々に遅くなってきたのも考えれば新門司港17:00台発の各航路船上からの確認が最も確実とみられます。

 三菱長崎造船所。こちらでは【それいゆ】進水式から1か月強経過し艤装工事が進行しています。3/5の舞鶴→小樽便での就航まで1か月を切った【はまゆう】は、現在【それいゆ】が接岸している岸壁に隣接した別の岸壁に移動。新造・就航の2隻の姿を一緒に写真に収めることができる形となっています。複数の地点から2隻を撮影したのでここからは写真で見ていきます。

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長崎水辺の森公園北端付近から真正面を見た【はまゆう】。垂直ステムも相まって船体はスリムな印象を受ける。

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少し南に進んだ付近から【はまゆう】と【それいゆ】。

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三菱長崎造船所本館を背景に艤装中の【それいゆ】

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長崎港松ヶ枝国際ターミナル屋上緑地から【はまゆう】【それいゆ】

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岸壁を移ったことで右舷側が見えるようになった【はまゆう】

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グラバー園のグラバー邸修繕工事見学仮設デッキから見た【はまゆう】【それいゆ】と長崎市街地・稲佐山

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鍋冠山登山道途中から見た【はまゆう】船体後方。船籍港は小樽。

2021/2/24追記

www.snf.jp

https://www.snf.jp/cms/wp-content/uploads/2020/03/202103_shipschedule_3.pdf

2021/2/24付の新日本海フェリー公式サイトで天候の悪化等を踏まえ、2月下旬から3月にかけての運航表の変更が発表されました。【はまゆう】もこの影響を受けており、当初2021/3/5の舞鶴発小樽行と発表されていた就航初便が、2021/3/2の小樽発舞鶴行に変更されています。

2021/6/27追記

2021/4/1に公式サイトで就航日が7/1と発表。同時に各等級の料金も発表されました。

料金は最低等級のツーリストA(12,000円)をベースとし、個室等級ではルームチャージを上乗せする体系となっています。

この時同時にデッキプランや船室・船内設備の画像が初めて公式に公開されました。

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その後4/21にはお盆休みの繁忙期期間の運賃が、5/10には7/1就航初便の予約を5/20に開始し、その後順次他の日程の予約も順次開始すると発表されました。

5/22に長崎、5/23に新門司の現況をそれぞれ確認しました。長崎では【はまゆう/それいゆ】共に外装の工事が完了。完成形で2隻が並ぶ形となっていました。

新門司ではターミナル建屋と付帯設備がほぼ完成していました。

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2021/7/25追記(遅ればせながらにはなりますが…)

6/18の夕方に【はまゆう】、6/25の深夜に【それいゆ】がそれぞれ三菱重工業長崎造船所を発って関門海峡を通峡し新門司港へ初入港。複数回就航航路での公試が行われました。

また公試が始まる前には新門司ターミナルに着岸、他社フェリーとの共演も見ることができました。

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6/17 17:00頃に早鞆瀬戸を周防灘に向かって通峡する【はまゆう】

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6/20 8:20頃名門大洋フェリー【フェリーおおさかⅡ】屋外デッキから見た停泊中の【はまゆう】

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6/25 24:00過ぎに門司港レトロの夜景を背に関門海峡を通峡する【それいゆ】

そして2021/7/1、2018/12/18に就航計画の公表されて2年8か月後に横須賀~新門司間で正式に就航となりました。

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ここからは少し個人的な予想を(素人考えなので適当に読み飛ばしていただいて大丈夫です)。

多くのフェリーターミナルは鉄道駅や市街地から離れた場所にあり、出発・到着の時間帯に合わせて最寄り駅や近隣の主要駅から有料・無料問わず連絡バスが運行されています。

今回新門司側については既に就航している同グループの阪九フェリーへの連絡バス(JR小倉駅・JR門司駅発着で所要時間40分、無料)を東京九州フェリーの出発・到着時間帯に合わせて活用するような形になると思われますが、横須賀側はどのような形となるのだろうと思い少し探してみると似たような立地条件と個人的に見れるフェリーターミナルを見つけました。

泉大津港。阪九フェリーの大阪側の発着地です。連絡バスは最寄りの南海泉大津駅JR和泉府中駅、そして難波OCAT(大阪シティエアターミナル)の3か所へ出ています。南海泉大津駅行は無料、それ以外の2か所は有料です。

因みに南海泉大津駅から地下鉄御堂筋線梅田駅までは乗継1回で約40分、610円。JR和泉府中駅から大阪駅までは直通列車で約40分、560円です。

横須賀新港の最寄り駅は京急横須賀中央駅、少し離れますがJR横須賀駅があります。

横浜駅までは京急線快特利用で30分弱、367円(ICカード運賃)、JR横須賀線利用で40分弱、561円(ICカード運賃)です。(こうやって並べると横須賀~横浜間は京急の圧勝ですね…JRが遠回りしているのもありますが)

因みに横須賀中央駅から横浜駅東海道線へ乗り継ぎ東京駅までだと約1時間、840円。新宿駅へは品川駅で山手線と京急線を乗り継いで約70分、848円。横浜駅湘南新宿ライン京急線を乗り継ぐ場合は約75分、928円となります。

連絡バスは恐らく横須賀中央駅経由JR横須賀駅行となりそうですがもしかすると多客期などに横浜駅隣接のYCAT(横浜シティエアターミナル)にも乗り入れるのではと予想しています。

距離的には泉大津港からOCATまでは33kmに対して横須賀新港からYCATまでは37kmと大差はないんですよね。

https://www.han9f.co.jp/contact_bus/#izumi

goo.gl

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→新門司港については小倉駅門司駅からの連絡バスが運行されることが公表、6/18には詳細なダイヤと乗り場についても公表されています。一方の横須賀港では連絡バスの運行は無く、徒歩またはタクシーでのアクセスが案内されています。*23

 

もう1つは新門司港の発着時間に関してです。

上記に日本海事新聞のインタビューと、それを受けて掲載されたタビリスより

海上運行距離の近い新日本海フェリー敦賀~苫小牧東航路をモデルとする。

 と言及されましたが、旅客航路としては新日本海フェリーのみが発着する敦賀港・苫小牧東港と異なり、新門司港は複数の会社のフェリーが夕方から夜にかけてそれぞれの目的地に向かい出港する時間帯があるということです。

https://www.han9f.co.jp/timetable/(阪九フェリー)

https://www.cityline.co.jp/route/route.html(名門大洋フェリー)

運航スケジュール│東京,徳島,北九州のフェリーならオーシャン東九フェリー

通常時のダイヤでは

17時台:名門大洋フェリーの1便、阪九フェリー泉大津

18時台:オーシャン東九フェリー(日曜・祝日)、阪九フェリーの神戸行(月曜~木曜)

19時台:オーシャン東九フェリー(月曜~土曜)、名門大洋フェリーの2便

20時台:阪九フェリーの神戸行(金曜~日曜)

と17時~20時にかけて3社4航路5便が出港します。これに加えて今年(2020年)秋以降、阪九フェリーは曜日限定ながら泉大津行を増便する方針を打ち出しています*24。インタビューでは上り(泉大津行)は新門司港を9時台に出港するとありますが、今年1月から3月初旬にかけて神戸港サイドランプ工事のため神戸港行の便を泉大津港へ代替する形で運航された際、新門司港を21:00に出港するダイヤとなっていました。

https://www.traicy.com/posts/20191114132594/

来春、新型2隻が就航 来秋からは5隻体制に 輸送経済新聞社

ここで東京九州フェリーのモデルとなる新日本海フェリー敦賀~苫小牧東航路の運航ダイヤを見てみると

出港時間は北行敦賀港で0:30*25南行苫小牧東港で23:30。

到着時間は敦賀港・苫小牧東港ともに20:30となります。

敦賀~苫小牧東港|航路・ダイヤ・運賃|舞鶴・敦賀・新潟・秋田と北海道を結ぶフェリー航路。

門司港出港時間に関しては他航路との干渉は恐らく問題ないと思われますが、入港時間に関しては仮に20:30となると他航路の出航遅れ等があるとやや干渉の可能性もあるのでは?とも思えます。

ただし東京九州フェリーに関しては4/11に追記したように現在阪九フェリー名門大洋フェリーオーシャン東九フェリーの発着する岸壁からやや離れた、港の出入口近くの岸壁を使用するとなればその影響はやや抑えられるようにも素人目には見えますが…。

8月11日の新日本海フェリーのお知らせ(前述)で予定ではありますが新門司21:00着、24:00発と発表されたため基本的に緩衝の可能性は低いようには思います。新門司発着他航路との干渉の可能性があるとすれば東京九州フェリー側が海象等の理由で遅れることでしょうか。

2020/11/22加筆

船体の足場・囲いが取り外されたことでその外見全型が見えるようになった【はまゆう】。その窓割から少しばかり設備を予想(?)してみることにしました。

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色分けそのものにあまり意味はありませんが…。

青:デラックス船室のプライベートテラス、3層吹き抜けロビー(推測位置)

薄青:ブリッジ(船橋、実際の操船等が行われる区画)

青緑:船員区画(?)

オレンジ:レストランとBBQコーナー(兼屋外デッキ①)

濃緑:プロムナード(?)

薄緑:展望デッキ②

黄:大浴場・露天風呂

写真には図示していませんがデラックス区画の左側やその1層下の窓は船室の窓でしょうか。ブリッジ・船員区画が旅客甲板の1層上になっているのは同グループの阪九フェリー【せっつ】と類似しているようにも見えます。気になったのはレストランから船首側の横長の窓の並んだ辺り(濃緑で図示)。かなり長めにとってあるようにも見えますがプロムナードでしょうか。

展望デッキとして2箇所(オレンジ薄緑で図示)していますが実際どれぐらいの範囲でデッキに出れるのかというのも気になる点ではあります。

 →2021/4/1にデッキプランが正式に公開。船体右舷側中央はレストランとバーベキューガーデンとなりプロムナードは無しとなった以外は大体あたっていたような気がします。屋外デッキの開放範囲は天候に左右されると言え、新日本海フェリーの既存高速組4隻と比べるとかなり広い範囲で出ることができる形となっています。


 

 

 

 

 

 

*1:舞鶴敦賀・新潟・秋田といった本州日本海沿岸と北海道小樽・苫小牧の間で運航する新日本海フェリー(S)、大阪(泉大津)・神戸~北九州間で運航する阪九フェリー(H)、下関~韓国・釜山間で運航する関釜フェリー(K)3社を中心としたグループ。3社とも営業運航開始50年を超え、長距離フェリーでは老舗。系列のホテルもある。

*2:同グループの新日本海フェリー舞鶴敦賀~小樽・苫小牧の直行航路を運航しておりこの2航路の船は全長200mを超える大型でフェリーとしては国内最速の30ノット(時速約56㎞)近くでで航行できるため。

*3:途中徳島へ寄港してから北九州へ向かう

*4:横須賀新港への発着は就航計画発表時に朝日新聞横須賀支局支局長が市側からの説明があったとtwitterで呟き信頼性も高いものではあったがその当時の段階で公式の文章に含まれない内容の為ここで記述した。

*5:門司港は現在阪九フェリーオーシャン東九フェリー使用のエリアから発着。新門司港からは名門大洋フェリーも発着するが前2社と発着場所は異なる。

*6:

https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=2290801025421

*7:

www.city.yokosuka.kanagawa.jp

*8:車無しで人のみで乗船すること

*9:現段階では茅ケ崎JCT(神奈川県、新湘南バイパスと接続)から大栄JCT(千葉県、東関東自動車道と接続)まで開通。2025年度に釜利谷JCT(横浜市横浜横須賀道路と接続)から栄JCTを経由し横浜湘南道路の藤沢IC(新湘南バイパス)が結ばれると圏央道を介して新東名、東名、中央道、東北道等の主要方面へのアクセスが改善される。

*10:阪九フェリー新日本海フェリーの食事形式はカフェテリア方式(小鉢や刺身などの一品料理、鉄板焼きなどのオーダーメニューの料理を順路に沿ってとっていき最後にあるレジで精算する

*11:「港湾計画」とは、一定の水域と陸域からなる港湾空間において、開発、利用及び保全を行うにあたっての指針となる基本的な計画で、港湾法第3条の3に「港湾の開発、利用及び保全並びに港湾に隣接する地域の保全に関する政令で定める事項に関する計画」と規定されている法定計画であり、重要港湾の港湾管理者は港湾計画を定めなければならないとされています。

港湾計画 - 福島県ホームページより引用

*12:船体の一番下から水面までの高さのこと、即ち船体のうちこの長さ分水に浮いているときに水中に沈む。

*13:この時の詳細はこちらを参照。

 

shangrillagoonbay.hatenablog.com

 

*14:シアター設備は同じ三菱長崎造船所で建造され2012年に就航した新日本海フェリーすずらん】【すいせん】でコンファレンスルームとして設置されている

www.snf.jp

*15:関釜フェリーが発着する下関市の市の花も「はまゆう」

www.city.shimonoseki.lg.jp

*16:計画公表時にSHKライン名のプレスリリースは出ていますが(先述)グループ関連各社のHP上ではなく横須賀市の記者発表のページのみの掲載となっています

*17:SHKグループ内の阪九フェリーでは繁忙期になるとこのドライバー用個室が一般販売されていることもあり恐らく同様の対応がとられると思われますが…

*18:一部区画の共同使用案について個人的に有効な案ともとれる一方で出入港の遅延時と週1日ある休航日の取り扱いをどうするのだろうという懸念を抱くところではあるのですが…。

*19:プレスリリース掲載の数日前に発表された3月の配船表

時刻表・運航スケジュール | 舞鶴・敦賀・新潟・秋田と北海道を結ぶフェリー航路。 に「H:はまゆう」の記載が先行して公表されていました。

*20:船の健康診断/海の不思議箱 日本船舶海洋工学会 海洋教育推進委員会

*21:

www.city.kitakyushu.lg.jp

*22:ひまわりは航路が平行する日本通運グループの海運会社「日本海運」で運航されている船名【ひまわり5/ひまわり6】で使用され、ひまわりを英訳したさんふらわあ(sunflower)は前述の日本海運と共同運行する商船三井フェリーRORO船さんふらわあ とうきょう/さんふらわあ はたか】で既に使用されています。

*23:各フェリーターミナルへのアクセスにつきまして(6/17 新門司フェリーターミナル連絡バス情報更新) - 東京九州フェリー (tqf.co.jp)

*24:2020年6月25日付日本海事新聞泉大津便の増便は断念との記事https://www.jmd.co.jp/article.php?no=258312

*25:2020/8/1からは23:55発に変更される。

8月1日 ダイヤ改正<敦賀発苫小牧東港行き(直行便)>のお知らせ|お知らせ|舞鶴・敦賀・新潟・秋田と北海道を結ぶフェリー航路。